大河ドラマ・武田信玄・第10回・感想


第10回 「国造り」

歴史パート:
信濃侵攻(長野)1543・長窪城を攻略 1544・竜ヶ崎城を攻略 1545・高遠城、福与城を攻略 1546・湖衣姫が出産(のちの武田勝頼)・内山城を攻略、同時に領内管理・甲州法度・治水監督、 1547・小田井原の戦い(長野):志賀城を攻略

ドラマパート:
前回毒がどうこうのくだりは茶番におわる(見ててヒヤヒヤしたけど所詮ドラマ)・正室×側室のバチバチは終わらない/金(きん)に詳しい集団を雇い入れる(←濃ゆいのが出てきた!)/主人公パパin京都、妾の蘭がナマイキになってた?/側室の里美が女武者になる/山本勘助が武田家臣の一人と打ち解け笑った。(いつも辛そうな厳しい顔してたのでちょっと嬉しい)
 
おべんきょう
小田井原の戦い:1547・佐久(長野県)
武田信玄○vs●笠原清繁(佐久の領主)+上杉憲政(関東地区の守護職
城を囲む→遠くから来た城の援軍(上杉)3000を返り討ち、首をはねて城から見えるようにさらす→落城。敵兵は奴隷に、女子供は売り飛ばされる、敵将の妻も部下の武将の嫁にさせてしまう。これらの行為は当時でも非道なものだったらしい、結果次の戦いでは武田信玄の敵はメチャ団結、復讐に燃えた。(この地方では武田信玄の評判は現代でもよろしくないらしい。)

甲州法度:1547~
 武田信玄の領土での法律。(行政、租税、刑法、私法、訴訟など全57カ条)


「人之性悪(人の性は悪なり)/荀子(じゅんし)」
 志賀城攻めの際、(これは戦争だ、正しくても負けたら終わりだ、徹底的に殺して相手を恐怖におとしいれろ、人間はもともと残酷で卑怯な生き物だということをキモに命じろ)みたいなノリで使った(ドラマパート)。/本来は使い方も意味合いも若干ちがう




『人之性悪』

人之性悪、其善者偽也
今人之性、生而有好利焉
順是、故争奪生、而辞譲亡焉

生而有疾悪
順是、故残賊生、而忠信亡焉

生而有耳目之欲、有好声色焉
順是、故淫 乱生、而礼義文理亡焉

然則従人之性、順人之情、必出於争奪、合於犯文乱理、而帰於暴
必将有師法之化、礼義之道、然後出於辞譲、合於文理、而帰於治
用此観之、然則人之性悪明矣
其善者偽也

人間の本来の性質は悪であり、それが善であるということは人為によるものである。
人の本来の性質は、生まれながらにして利得を好むところがある。
この本性に従うがために、争奪が生じて人に譲るという精神がなくなってしまう。

(人の本来の性質には)生まれながらにして憎悪の心がある。
この本性に従うがために、人を損ない傷つけることが生じ、誠意や信義がなくなってしまう。

(人の本来の性質には)生まれながらにして聞きたい見たいという欲求があり、美しい音楽や女性を好むというところがある。
この本性に従うがために、節度のない行いが生じて、礼儀や物事の秩序がなくなってしまう。

そのため、人の本性に従い、人の感情におもむくままに行動をすると必ず争奪が起こり文理が犯され、秩序が乱れた状態になってしまう。

だからこそ必ず、正しい導き手や礼儀の導きがあり、そののちに(はじめて)辞譲の精神が生まれ、筋道にかない、(世の中が)治まることになるのである。
こうしてみると、人間の本性が悪であることは明らかである。
そしてそれが善であるということは人為によるものである。