真田丸 第20回 「前兆」 感想


真田丸 第20回 「前兆」 感想

あらすじ

歴史パート:
 1588・刀狩り/1589・真田(兄)が徳川縁者と政略結婚/1589・落書き事件(落首事件)

ドラマパート:
 大阪/茶々様ご懐妊の相手を邪推する落書きがみつかる→主人公、犯人を捜すが見つからない→豊臣秀吉激昂、警備員を全員殺したうえで、犯人がみつかるまで警備員の家族も殺し続けるよう指示→主人公、死人を犯人にでっちあげるも秀吉の怒りは納まらずいさめようとした石田三成が槍玉に→秀吉の正室・北の政所様がなんとかおさめる

 長野/真田(兄)が政略結婚のため現在の嫁を離縁(史実は離縁していない)するも嫁は使用人として真田家に残る


かんそう

○秀吉のロマンス(暴走)が止まらない・1
 ドラマの中の秀吉の気持ち、よくわかるけどなあ
 国は自分のもの(まるで某北の国)
 落書き発見、自分は下民にナメられた
 「自分をバカにするのはいいが産まれてくる子をバカにした、絶対に許せない」
 という大義名分で子供の名誉回復もだが、自分をバカにしたことに対して制裁を加えることを周囲に正当化、堂堂と死刑遂行する

 でも「犯人の近所に住んでた奴もみんな殺せ」はないわな(´A`)

○本多パパ勝
 なんで結婚式に列席しないのん?親権を家康に譲ったとしても、名代で列席できるじゃんね?

○秀吉のロマンス(暴走)が止まらない・2
 軍師官ベエの時も思ったけど、トップのブレーキになる議員制度、元老院制度っていうのはつくづく大事だと思い知らされるね。

○表裏比興の者
 家族全員が新しい嫁に不満を持っている空気の中で「ワシは反対したんだがこいつが乗り気でな。」「どうする?やめるか?」シレッと風当たりを息子のほうに向けるサナパパ。ああいう反論できないタイミングでものを言う人っているよね。パパは真面目で一族思いの息子の性格まで計算に入っている、っていう設定だろうけど、俺が息子なら「やめてもよいのですか父上?」って絶対言うわ。そしたらパパはなんて返すんだろ。すごい切り口で返してくるんだろーなー。

 「いいたいことがあればなんでも言うがいい」と語りかける真田(兄)に対して、無表情で「いいのですか?本当に、いいのですか?」からの「寒いです」はほっこりした(o^ω^o)脚本の思惑どうりですね

徳川家康の役者さん
 家康の役者さんの表情、いいわあ。ありゃ、顔芸だわ。(´A`)味わい深い。

○政所様
 「秀吉様は変わってしまった」、という声にたいして
 「あの人は変わってない」と返す政所さま。
 そこから「今も根は優しい、ただ怯えてるだけだ」みたいな返しだと思ったら、まさかの「昔っから冷たい人間だった」ときたもんだ。でも説得力あるなあ、と思いましたまる

 話の大筋はしょぼかったけど、タイトルの「前兆」っていうのが豊臣秀吉の変化に対するものを指しつつ、むしろそれより政治に対する民衆の怒りを指していたのですよ、っていうオチがドラマしててよかった。

 理不尽な処刑をいさめようとした石田三成が秀吉の怒りを買い、切腹をいいつけられようとしたさなかに北の政所様が方言で登場、方言で秀吉をいさめ、秀吉の怒りは納まるが、ぜんぜん一件落着感がないままの登場人物たち。空気は不穏なまま。暴走する秀吉と秀吉子飼いの武将たちが静かに織り成していく緊張感・閉塞感。たまりませんな。


おべんきょう

刀狩令1588
 仏像の材料にする、という口実のもと、百姓の武器になるものを没収した(徹底はされなかったらしい)

○落書き事件(落首事件)1589
 聚楽第の壁に秀吉をなじる落書きが発見され、警備不行き届きの罰として17人の門番が鼻をそぎ耳を切り落とされハリツケに。さらに犯人とされる人物の関係者の町を焼き払い犯人にかかわったとされる多くの人間が処罰された・らしい


おまけコーナー

聚楽第東濠跡(京都)
 豊臣秀吉の仕事場兼邸宅(1587-1591)のち、おいの豊臣秀次が居住するも秀次が追放され切腹したため1595年に取り壊された・の、おほりの跡。行きたいレベルD


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