おんな城主 直虎 第31回 「虎松の首」 感想


第31回 「虎松の首」 

◎かんそう

○どうせ中途半端なんデショ

なんの罪もなんの関係もない子供に、むごい死にかたをさせてしまい、悲しみの中その子供の墓を掘る主人公。

もちろん主人公の気持ちはわかるし演出・脚本としても普通なので文句はないんだけど、普通によくある脚本だけに、(今回は悲しんでるていなのに来週にはこの巻き添えになった不憫な少年のことなんて普通に忘れて、もう二度とでてこないんデショ、そんなんなら悲しいぶるな、普通に忘れ去るなら、今31回だけ「悲しいですぅ」って演出するな、そのハンパな軽さこそが死者に対する冒涜だ)、とも思った。(まあこれは脚本家に対してだが)

鋼の錬金術師」って漫画があって。その漫画の中に、ちょうど今回の少年みたいな立ち位置の少女がいて。(話の大筋にはそこまで関係の無い、序盤のちょっとしたワンエピソードで、ある少女が理不尽な殺され方をして、その死を主人公が悲しむ)その少女の死はその会だけのお話だと思ってたら・・・
鋼の錬金術師」という長い長いストーリーの最終回で、「鋼の錬金術師」という物語のカギとなるキャラクターと主人公が会話するシーンで、過去回想回でもなんでもないのに唐突に”その少女を救えなかったことに対する自分の無力さ”を主人公が口にするシーンがあって。そのとき、(ただのワンエピソードの脇役以下の少女の死を主人公が未だに悔いていた、主人公(作家)は、その死・そのキャラクターを忘れていなかった)ことに俺は物凄く感動したし、作家さんの脚本構成力を素晴らしいと思った。

それと今作の今エピソードを比べてしまいちょっと冷めた。

(せめてチビ虎くんが帰郷したときは少年の墓前で手を合わせるシーンをはさんでおくれ。)

○カシラはなにもわかっていない

悲しみの中、名も知らぬ子供の墓を掘る主人公。そんな主人公に声をかけようとした盗賊の頭。

その盗賊の頭に主人公が「カシラになにがわかる!むこうへ行ってくれ!」と言うシーン。

「カシラに何がわかる!」この台詞を聞いたとき、(俺はこういうとき、主人公みたいに言えないタイプだ)と過去に感じたことがあった、あることを思い出した。

主人公みたいな女がいて。「あんたに何がわかるのよ!」みたいなこと言うやつがいて。そんな奴にかかわってしまったことが過去にあって。「あんたになにがわかるのよ!」って言われたことがあって。そのとき俺は、(こういうことが他人に言えるってすごいナ・こいつ自分のことだけで頭いっぱいなんだろうナ・ちょっとうらやましいナ)って思ったりしたことがあったのを思い出した。

俺なら、(自分はカシラのことを知ってるわけでもない。カシラだって今回の悲劇に消沈してるかもしれない。なのに、「あんたにはわからない!」なんて言えない)って思っちゃうのと、なによりカシラはカシラなりに自分をなぐさめようとしてくれている、この悲しみに寄り添おうとしてくれている、っていうのがわかるから、なにか言えたとしてもせいぜい「そっか、ありがと。でも悪いけど今は一人にしてくれ」みたいになる。




(´A`)<そんだけ



○今週のやってみなければわからない

なし


◎おまけパート

//物語の舞台・”井伊谷”がある//井伊谷では直虎が暮らしていた当時の様子を今も垣間みることができる//だそうで

平安時代末期に井伊家初代当主共保(ともやす)が築城したと伝わっている//土塁で囲まれた山頂の砦(とりで)は城下の様子をつぶさに見渡すことができた//だそうで

○渭伊(いい)神社
//水を司る神を祀る井伊家の氏神//1100年以上の歴史を誇る//だそうで

○天白磐座(てんぱくいわくら)遺跡。
//渭伊(いい)神社本殿の背後に広がる//古墳時代に祭事が行われていた神聖な場所//岩に降り立つ神に豊作を願ったと伝えられる//だそうで

○久留女木(くるめき)
井伊家に年貢を納めていた地域//この棚田を守り続ける農家の中には井伊家家臣の末裔(えい)だといわれる人々もいる//だそうで

○行きたいレベル・A
城跡、神社、遺跡は行ってみたい。でも静岡行けるなら今川や徳川ゆかりの場所のほうを優先させるから井伊関係は後回しかな。ゆっくり何泊もできればいいんだけど今生、俺の人生では不可能っぽい・・


◎覚へ書き

○歴史パート:
//1568.武田信玄が今川家の領地に侵攻。そのとき今川に従軍していた小野道好(鶴くん)に今川家が「虎松(のちの井伊直政)を殺害して井伊谷を掌握し、その軍勢を率いて加勢しろ」と命じる→小野道好(鶴くん)はその命を奉じて井伊谷に入り井伊氏より井伊谷を横領する(ようするに謀反。小野道好(鶴くん)は井伊直虎井伊直政の命を狙うも井伊一族は寺に逃げ込んで一命をとりとめた)

○ドラマパート:
//井伊家のために徳政令(今川家に命じられた政令・施行すると井伊家が財政破綻してしまう)を拒否しようと百姓が今川に直訴、その百姓を成敗しようとする今川サイドの役人//百姓を守るため主人公は徳政令を受諾、これにより井伊家は財政破綻、井伊の領地は今川の管理下に//井伊を破綻させた今川の行政を手伝う鶴くん、しかし鶴くんは今回の今川の手先になる前に主人公に「俺を信じろ」と言っている。だから、(井伊が破綻しないための起死回生の秘策が鶴くんにはあるはず)と信じ、一族を隠れ家に避難させた主人公は、ことの顛末と今後の展望を一族に説明する(すでに徳川とくんでいる、じきに戦争になるからそれに乗じて領地をとりかえす、鶴くんもたぶん味方だから信じ てほしい、など)//井伊に徳政令をのませたことで今川の信用を得た鶴くん、井伊の領地の管理を任される//(鶴くんは本当に味方なのか?)主人公の脳裏に一抹の不安//今川のトップ今川氏真、井伊家の断絶と、跡取りの虎松(のちの井伊直政)の斬首を指示//鶴くん、今川からの指示に従い「虎松(のちの井伊直政)のクビをはねました」と持ってくる//クビが本当に虎松のものか確認するために主人公が呼び出される、クビをみてすすり泣きながらお経をあげる主人公//これによりクビは虎松(のちの井伊直政)のものと断定され鶴クンが井伊家の当主に任命される//しかし実のところクビは重病の少年のものだった。そんなこんなで虎松(のちの井伊直政)は無事だったものの、少年を身代わりに殺してしまった ことに怒り悲しむ主人公、井伊家再興に闘志を燃やす//つづく


◎おべんきょう

なし