風林火山 第33回 「勘助捕らわる」 感想
第33回 「勘助捕らわる」
◎かんそう
○みごたえあった!
上杉謙信と勘助が「おまえの主(あるじ)はおまえを救わないよ」「いいえ。自分はもう、我が主に十分救われ申した」みたいなやりとりを延々とするんだけど。「武田信玄」という名をいっさい出さずディスったりリスペクトしたりするこの空気がカーッコイイ!
(´A`)<敵どうし相反する信念があって。どちらも譲らない。(とくに勘助は文字どうり「死んでも」譲らない。)男臭、プンプン臭ってきました!
縛り付けられた勘助に銃を手にした上杉謙信が言う。
謙信「おまえの頭上を鉄砲で撃つ。あたらないよう神に祈ってろ」
勘助「神仏には祈らない。自分はある人を信じている。その時から、自分の神仏はその人だ。」
謙信「そいつはおまえを救ってくれないんだぞ」
勘助「そもそも自分は神仏に救われたことなどない。自分は神仏より人が好きだ。人の醜さ・狡猾さ・弱さ・儚さ・憎しみ・迷い・偽り・虚しい欲深さが・・・好きだ」
謙信「・・・救いようがない奴だ(※謙信はいつも「神・神」言ってる神さま大好きっ子)」
勘助「救われたんだよ。俺はそんな俗世に、救われたんだ。」
みたいなやりとり。
「銃を持った神の化身vs死んでも信念を曲げようとしない俗世の塵芥」の対比
「銃を持った神々しいイケメンvs死んでも信念を曲げようとしない隻眼の醜男」の対比
(´A`)<男汁、でまくりっ!
(´A`)<で、だ。
考えさせられたこと・其の①
俺は勘助のように生きれるか。//男一匹、俺だって勘助のような最後を迎えたい(今回勘助は死ななかったけどまあとにかく)。でも、勘助のように、「信じる人」なんていない。神仏も人間も嫌い。信じていないものに殉ずるのは無理。(´A`)<こりゃロクな死にかたできんわ。大志もないしな。
其の②
誰かのためならやれてしまうことの利点と難点。//「自分のため」ってなると人に押し付けづらいことも「****さんのため」ってなると押し付けやすくなる。極端な話、「自分の財産を増やしたいから戦争する」は言いづらいけど「生き神様のために国を守ろう」とかなら言いやすい。これって危険なことだよね。(諏訪御料人が前に言ってたことだけど。)
其の③
②の続きでもあるんだけど。そこまで武田信玄を思うんなら「寝返ったフリしてでもとにかく生き延びて再び信玄公のもとに戻ったほうが信玄公のためになる」っていう考えかたはダメなのかな。まあそれで生き延びてもその後一生「自分はあのとき死にたくないから理由をこじつけたのかも」って自分を責め続けそうではあるが。
其の④
勝頼と武田信玄、どっちをとる?//今回勘助は、「軍師として・自分の欲求で」ではなく信玄公に心底ほれ込んで生きている、っていうのはわかったけど、今後もし信玄公と勝頼公がもめたりしたらどっちを取るんだろう。一時的とはいえ信玄公より諏訪御料人と生きていこうとしたし、やっぱ勝頼公をとるのかな。義信事件でオブさんがしたように。
◎覚へ書き
○歴史パート:
ちなみによっしーはこのとき13歳
○ドラマパート:
1550.秋/新潟の武将・宇佐美某は勘助の正体に気づいていた(情報通の武将なら「武田に隻眼の謀将あり」という噂は知ってて当然・とのこと)。上杉謙信も、知っているであろうのにあえてそこに触れず武将・宇佐美某に勘助を託したのは「武田の手が新潟まで来ている、内輪争いをしている猶予はない、早く団結しよう」というメッセージに説得力をもたせるためのものだった。上杉謙信の遠慮深謀を目の当たりにする勘助//宇佐美某から「武田の情報を話せば助かるかも」と誘われるが拒否する勘助//宇佐美某・決意を固め上杉謙信の家臣となる//上杉謙信、自分の傘下に入らない同族の武将・長尾政景を時期をみて討伐する方針を決定。その日までに鉄砲が届かなければ勘助を殺すと警告(山梨県の武田家にもこの情報がはいる。武田家臣、「信玄公はどうするんだろう?武田家にあった鉄砲は先の戦争で消耗 したり敵に奪われたりで数が足りない・なにより信玄公が「勘助を助けるために上杉謙信に鉄砲を届ける」と言う気配がない。見捨てるんだろうか」訝しがる)//武田信玄の嫡男・義信が元服//武田信玄のママが倒れる//勘助、鉄砲の遅延を理由に牢にいれられる//上杉謙信家臣団、上杉傘下にはいらない長尾政景といよいよ開戦とイキりたつも宇佐美某がこれに異論、謀略によって取り込む案を献策「→長尾はゴネたあとに好条件で和睦するハラだ、無駄に戦って消耗するよりこちらから先にキツイ条件を提示して威圧すれば動揺して折れてくるだろう」//牢獄の勘助「もはやここまで」ハラを決める//「もし勘助が寝返って上杉謙信の配下になれば助かるだろう」という武田信玄、「ヒドイ!勘助が寝返るわけないじゃん、それって見捨てるってこ とじゃん 」と、勘助の身を案じる諏訪御料人//長尾某が上杉謙信に降伏。無条件で降伏したにもかかわらず上杉謙信は自分の姉を長尾某に正室(人質)として引き渡し器の大きさを示す//勘助の処刑当日。「おまえの上司はお前を見捨てた・だが上杉配下になればおまえは助かる・どうする?」と上杉謙信に声をかけられるも勘助は毅然としてその誘いを蹴る//縛りつけられ鉄砲を向けられた勘助。そこにお約束のタイミングで使者が来る「→鉄砲を届けに参りました・勘助を解放してください」//上杉謙信、高笑いののち勘助を解放(鉄砲は和歌山の鉄砲商人・津田監物{つだけんもつ・30話}が武田信玄に依頼されて持ってきた)//勘助、上杉謙信に対して「いずれどこかで合間見えましょう」的不敵なやりとり//つづく
◎おべんきょう
○じんぶつ(○→メジャー:△→マイナー:×→無名)
//新潟県の大名・長尾為景配下の国人・長尾某の子//22歳・上杉謙信とその兄が新潟県の大名の家督を争い兄サイドについたが翌年敗北//25歳・上杉謙信に対し謀反をおこす(謙信の家督継承に不満)が翌年降伏、和睦の証として上杉謙信の姉を嫁にもらう←イマココ//****.上杉謙信の重臣として活躍。(上杉謙信の出家を止めたり拠点の防衛を任されたり様々な功を挙げる)//38歳・池で溺死(事故・暗殺諸説アリ)
□ことば
○「鷦鷯(しんりょう)深林に巣くうも一枝に過ぎず//しんりょう・しんりんにすくうもいっしにすぎず」
「鷦鷯(みそさざい・という鳥)が大きな林の中で巣をつくるのに必要なのはたったひとつの枝だけである」という意から、人はみな足るを知り、分に安んずべきだ、とのたとえ。(類語として、食前方丈一飽に過ぎず。//千畳敷に寝ても一畳。)
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