風林火山 第7回 「晴信初陣」 感想
第7回 「晴信初陣」
◎かんそう
○氏康びいきが止まらない
「自分は朝酒しか飲まない。夜は節制が効かず飲みすぎ身体にもよくない。が、朝、少し飲むぶんにはいいもんだ」
「このサザエのつぼ焼きは見た目は悪いが食べると美味。だけどちゃんと料理されたものじゃないとお腹を壊す(未だ大望を見出せず眼前の復讐に囚われ生きる主人公を見据えながら)」
「ワシは臆病で自分自身を信用しきれてない。他人を信用できないおまえとは逆だ。”自分を信用できないワシは他人の情けを頼る。他人を信用できないおまえは己の欲にしがみつく”。おまえは欲にしがみつき復讐の念にかられるからガセネタに踊らされガセネタをエサに就職にありつこうなんて思いつくんだ。欲に目がくらむと本当の敵が見えなくなるぞ。戦いっていうのは欲のためじゃなく、国を守るため、造るためにするものだ!」
という氏康公のご高説にたいし
「畏れながら、それは恵まれた者のいうことでございます。自分とあなた様じゃあ境遇が違いすぎます」と返す主人公。
「でもワシもおまえもこの乱世に立ち向かおうとする気概は同じだろ?そんなおまえを部下にすればいい働きをするのかもわからんが、今の、復讐にかられたおまえを部下にしようとは思えないな」
「武田を討ちたければ恨みを忘れて大望を見据えろ。そうすればなにをすべきかおのずとわかる。その憎しみの正体がわかったとき、またあおう」
ざっくりとこんな感じ。この時点では(氏康公、ステキ!いい事いってる!)なんて思ったけど、ドラマ後半で真田幸隆様が出てきたら感じ方が変わった。「最初、”良い!”と感じたのに、他の良い言葉を聞いたとたんさっきまでの”良い!”の評価を手のひらを返したように侮蔑する」。そんな感じで脚本に踊らされた。俺なんてそんなもん。軽く自己嫌悪。
まあそれはおいといて。氏康公、(真田幸隆が出てくるまでは)セリフの内容すごく”いいな”って思った。ただ、喋り方がなんか普通でものたりない。台詞そのものは良いんだけど話し方がちょっと軽い?薄い。個人的にはもっと仰々しくケレンミたっぷりに語る手法、演出のほうががよかったな(大名クラスは武田信虎みたいにクドイくらいのセリフまわしのほうが面白い)。これは役者さんの力量?それとも「北条氏康は脇役だからひかえめにお願いしまーっす!」的な監督の演技指導が入った?
○氏康に劣らぬ存在感
主人公が真田幸隆に聞く。「真田様は、夜は(酒を)飲まない主義ですか?(「夜は飲まない」と北条氏康が言っていたので)」それに対して、「ん?飲むよ?晩に酒のんだらいかんのか?おかしなことを言う奴だ」と”細かいこと言いなさんな”といわんがごとくホッとする回答。
そして「金はやる。外国へ行け。(そのまま行ったきりもよし、戻ってくるもよし)」みたいな北条氏康に対して真田幸隆は「しばらくここにいてみない?軍師として俺の部下を指南してやってくんない?」と主人公を必要としてくれる。
さらには「怨みをもってるようじゃあダメだね。キミは大望をみないといけないよ。大望が見えたらまたおいで。」という北条氏康に対して、真田幸隆は「怨みは戦場で人を強くする。まあ足元をすくうのも怨みだけど、ようするに使いかたでしょ」という。
この考え方の違いを対比させる演出はよかった。田舎の豪族と戦国大名の圧倒的な立場の違いはあるし、北条氏康はもちろんいいこと言ってるんだけど、やっぱり真田幸隆のほうが俺は好き。北条氏康みたいなのは息が詰まる。
○欠落した俺の感性に響かないぜ
なにかのレビューで「信虎パパだって本当は信玄と仲良くしたかった、三条の方に話した”馬の話”は本音だった」みたいなのを見たんだけど・・・そうなの??俺は、「信虎パパははじめっからそんなこと少しも思ってなくてまた信玄をイビるために適当なこと言ったんだ」と思ってたけど。俺、こういうこと多いんだよなあ。人の心の機微の表現、脚本の意図、監督の演出に気がつかない。作家さんが伝えようとしたことを間違って解釈してしまう。
もし人様と感想発表会なんぞしたら、「おまえそれ違くない?」みたいな扱いを必ずうける。これって発達障害なのかな・ってガキの頃真剣に悩んだ(まあ、だからこそブログで1人カタカタ感想かきこむだけで人様とは関わらないようにしてるんだけど)
◎おまけパート//長野県上田市
○真田氏館跡//真田氏本城跡の南にある//大規模な堀と土塁が残されている
○行きたいレベルC
数年前に行ったのでよっぽどのことがないともういかない
◎覚へ書き//あらすじ
○ドラマパート:北条氏康、「北条で働きたい」という主人公をスパイとして雇用する//武田信虎と信玄の不仲を心配する武田信玄の妻//武田信虎、長野県への侵攻を宣言。武田信玄も従軍(初陣)することに//主人公、雇用先を求め(スパイとして?それともスパイは嫌で北条家を見限った?)神奈川から埼玉→グンマを経由し長野県入り。そこで真田幸隆と出会う(山梨の百姓、平蔵とも再会。←真田家の使用人をしていた)//「近々武田が攻めてくる」真田幸隆、主人公に兵法指南としてしばらく留まるよう提案(真田「平蔵に聞いた。主人公は武田を怨んでいるそうじゃな」)//武田信虎と武田信玄が仲違いしているのをみかねた三条の方が二人の仲を取り持とうとする。そし て信玄は 信虎に誠意を見せるが信虎はまたも信玄を見下しコケにする。//主人公、真田家では(武田・今川・北条と違い)客人として丁寧な扱いを受ける//「武田軍は真田の城ではなく”海ノ口城”へ向かっている」とのこと。真田幸隆「武田の戦いを見てきてくれ」。真田の使者として主人公を海ノ口城へ送り込む//つづく
◎おべんきょう
○じんぶつ(○→メジャー:△→マイナー:×→無名)
信濃国(長野県)の豪族の子として生まれる(海野棟綱の子とも・諸説あり)//29歳・海野平の戦いで敗戦、関東の有力者・上杉憲政の下へ逃げる/34歳・武田信玄配下に(勘助の推挙だったという説も)/39歳・武田信玄が落せなかった砥石城という城を調略でおとす・めっちゃお手柄だったらしい/その後も様々な戦いで活躍/、武田信玄の信頼も厚かったらしい/54歳・病気のため家督を嫡男に譲り隠居//62歳・病死(武田信玄の死から一年後)
今、第7回の時点で23歳。”武田二十四将””攻め弾正”という肩書きあり。