おんな城主 直虎 第22回 感想


第22回 「虎と龍」 感想


◎かんそう

○臭いものには蓋をする

「農民が苦情を言ってきた。苦情を言われた盗賊が出て行くという。じゃあ盗賊に出て行ってもらえばいいじゃん」という家臣に対して、「苦情がきたから片方を追い出す」「出てくっていう人間は止めない」それでいいのか?というテーゼをなげかける主人公。

事なかれ主義っていうの?日本人に多いんじゃないかな。俺がそうなんだけど、”めんどくさい奴とは関わらない・話もしない・聞かない、相手を知ろうとは思わないし自分を知ってほしいとも思わない”。そうやって生きている。俺はそんな自分の生きかたに後悔も後ろめたさもないけどでも、このドラマの主人公みたいな人が社会には絶対必要だよな、とは思う。ただ、誰もが小さな頃は主人公のように”他人を理解しよう、自分を理解してもらおう”とするけど、現実はドラマのようにはいかない。そして傷つきやすく打たれ弱い者からだんだんそおいう理想を捨てていくんじゃないかな、と思う。(少なくとも俺はそう。)

○クズのエリートかく語りき

ドラマは"戦時中"の設定だから、今と比べてワケアリな子供が大多数っていう基本構成だとは思うけど。それでも盗賊になった人間っていうのは社会とうまくおりあいがつかない人間で、どこへ行っても閉めだされて、最終的に賊に下ったんでしょ?そんな人間を社会にむりくり組み入れても・・・やっぱり上手くいかないんじゃないかな(社会がうけいれない、というより盗賊のほうが社会を嫌い社会生活になじめず離脱するのでは)。俺は小・中・高とどの学校集団でもいつも浮いてて、社会でてもやっぱり浮いてた。で、おっさんになった今になって自分の生き方に対しての落としどころが見つかったあとで、”みんなと仲良くする場をつくったからおいで!”なんて言われても迷惑なだけだけどなあ。
あと、さんざん悪いことをしといて、(本当の僕をわかってくれない!)なんて奴たまにいるけど、その発想がもうおかしい、そんなんだからおまえはクズなんだって俺は思うけどね。(もっとも盗賊”団”という”集団”生活で浮くことなくやっていけるような人間に俺みたいなボッチのクズが文句言えないが)

○信じることと許すこと

お酒泥棒の犯人は村人Aでした。(俺は近藤様か亀くんの娘が怪しいと思ったがはずれた)。

まあそれはいいとして。「すまない!」という村人Aに対して「すまない!じゃねえんだよこのボケが!おまえのせいでえらい騒ぎだ。ほら、あっちで一緒に飲むぞ!」といって泥棒の件を水に流す村人Bと盗賊。ああいうの、いいね。ああいうとき、なんかグダグダネチネチ言う奴いるけど、その結果は面白いことには絶対ならない。俺は根に持つタイプでガキの頃ずいぶんネチグチして嫌われた。”自分は被害者なんだから一生相手を責めていいし相手は一生俺に逆らってはいけない”と勘違いしてた。そして嫌われまくってやっとこ”水に流す”というスキルを身につけた。だからこそ思う。”水に流す”っていうのは大事なスキルだと。(でもだからといって一向に誰からも好かれることもないのだが・・)

井伊谷戦隊”直虎ファイブ”

”盗賊の件どうしよう?ああする?これは?”なんてお題に挑む主人公と家臣4人の構図、いいね。鶴くんが他の家臣と同じ立ち位置でああだこうだやっているのは見ていて嬉しい(若干浮いてるが)。これで盗賊の頭領も家臣に加われば頼もしいんだが。でも鶴くん、もう長くないんだろうなあ。(盗賊の頭領も戦死するとみた)


◎おまけパート

//森林が7割近くを占める//山に囲まれた遠江の森林は、井伊家の貴重な資源となっていた//なかでも天竜区の森林は、スギやヒノキの人工林として知られている//砦(とりで)や城の建築、さらに戦乱後の復興のために大量の材木が切り出された乱伐を憂い、神社で植樹をしたのが人工林の始まりだという

//山岳信仰の聖地//古くから植樹が行われていたという//参道脇には樹齢500年以上とも言われる巨木、秋葉杉がそびえ立つ//火防(ひぶせ)の神を祭り、毎年12月に”防火祭 火の舞”が行われる//燃料として木が欠かせない刀鍛冶などから、火を自在に操る神としても信仰されてきた//戦国武将たちは、鍛造された刀剣を奉納し、戦勝祈願をしたという

◎覚へ書き・ながれ

○歴史パート:
架空の人物(盗賊の頭領)が主役の回だったので歴史パートなし。おおむねホームドラマかラブコメなノリで進行。

○ドラマパート
「井伊は人材難だから使える人材に育て家来にする手もある」といい盗賊の雇用に反対する家臣A・Bを説得。//ただし鶴くんは盗賊が問題を起こすことを危惧、いい顔をしない//盗賊の頭領を異性として意識しはじめる主人公//今川、来るべき武田の侵攻に備え徳川(松平)と手を組もうとするも徳川に拒否される//盗賊団が問題を起こす(賭博場を開く・窃盗疑惑・少女が追い回される)//詰問する井伊家臣に対し「ガタガタ言うなら契約は破棄、撤収する」という盗賊団//「今のうちに伐採の技術を盗んで用がなくなったら出て行ってもらえばいい」という鶴くんに対して「使い捨てるのではなく息の長い関係を構築したい」という主人公//「しかし領民も盗賊団もそうは思っていない」と鶴くんに言われ盗賊団との手切れに傾く主人公//手切れの話に向かった主人公、盗賊団も「受け入れてもらえるとおもっていたのに最初から悪人扱いじゃあやってられない」的な光景を見て一計を講じる//主人公「お互いが距離をとりすぎているせいでお互い疑心暗鬼になっている、ここは親睦会を開こう」//家臣・領民・盗賊で狩りに行ったり懇親会で酒をかこんでいるうちにお互いの誤解がとける(盗賊がしたと思われていたことは誤解からくるものだった)//主人公、飲み過ぎて盗賊の頭領に告白「私のものになれ」//そのころ、隣国の領主、近藤某(以前、盗賊団に木材を盗まれている)が井伊にやってきて・・・//つづく


◎おべんきょう

とくになし。おおむねホームドラマかラブコメのノリで進行。


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