おんな城主 直虎 第18回 感想




第18回 「あるいは裏切りという名の鶴」

かんそう

孫子曰く「気楽にいこう」

孫子を読みはじめたが、「好き勝手なことばかり書いてある」とボヤく主人公。そんな主人公に家臣Aがアドバイス

「あまり考えず、気に入った言葉を拾うのが頭に入りやすいですよ。」

これは俺にとっては座右の銘レベルの言葉。俺は頭が固く、難しい本とか読むときも「必ず1ページ目から順番に読まなければならない、そのページに書かれていることが理解できるまで次に進んではいけない」みたいなマイルルールがあって、そのせいでいきづまり読書そのものを途中で投げ出すようなところがあるので。

○百戦百勝は善の善なる者に非ざるなり(是故百戰百勝、非善之善者也、不戰而屈人之兵、善之善者也)

「百回戦って百回勝つのが最善なことではない。戦わずして勝つのが、最善なのだ」という意味だそうで。

ネットでいくつか訳詩を見たんだが、「徳をもって人を制そう」というような解釈があって面白かった

「殴って屈服させるより理屈で追い込んで屈服させるほうが物理的な損害がなくていい。が、それでも憎しみは生まれる。

そこで「徳」の出番。「徳」がある人物(天皇だったりみこしだったり)を使って相手を御するのが最上の勝利、みたいな。「徳」なんて政争の道具でしかないんだな、と思わさせられたし、そもそも「徳」っていうより単に産まれたときから決まっている身分じゃん、なーにが「徳」だよくっだらな。と思わさせられた。


◎おまけパート・静岡県浜松市

○二俣城
天竜川に面した城/ 今川氏にとって戦略上の重要拠点だった/代々今川氏に仕えた松井氏が二俣城を守っていた

○瀬戸村と瀬戸方久
静岡県にある、浜名湖へと流れ込む川・都田川。(都田川で”みやこだがわ”って読むんだって。読みヅラ!”とだがわ”でいいじゃんね)/この川の中流に、かつて瀬戸村(このドラマでたびたび舞台となる村)があった(この場所は二俣城から浜名湖へ抜ける中間地点にあたった)/一代で財を成した方久(家臣C)は、この地に移り住み瀬戸を名乗った/方久がこの地に拠点をおいたのは、松井氏とのつながりだったとも考えられている(方久は、あるときから豪族の松井一族を自称するようになった)/方久は井伊家の庇護(ひご)を受けながら、今川氏にも巧みに取り入り、のちに所領安堵状を取り付けた/知恵と機転で戦乱の世を渡り歩く方久は、裸一貫でのし上がり、したたか に生きる豪商へと成長していった

○いきたいレベル/C
おまけコーナーには珍しく観光案内より人物(瀬戸方久)の解説のほうが長かった。二俣城は木材系の派手な遺構はないもののそれなりの雰囲気はあるっぽいし、なにより徳川家康の息子さんが切腹させられた場所ということで、けっこう行ってみたい気持ちはある。(ネタバレになってしまうせい?か、解説でそのことにはふれられてなかったが)


◎おべんきょう

○じんぶつ(○→メジャー:△→マイナー:×→無名)

×松下常慶(1558-1624):奉行・武士・修験者(徳川家康の仕えた):遠江国・刑部城(静岡県駿府国・駿府城東門(静岡県

遠江国静岡県)の松下某の4男として生まれる/二諦坊の住職だったが徳川家康に仕えることになる/45歳・引佐郡のお代官様に任命される/49歳・お奉行様に任命される、徳川家康の身辺警護にも任命される/66歳・死去

”亀くんの嫁さんの再婚相手である、「松下清景」の弟”という説も。ウィキにページあったけど内容表記はかなり少ない。のに、生年がはっきりしてる人。これって珍しいんじゃないか?でもググってみると意外と逸話?が載ってたしなんでウィキの扱いあんななんだろうな。あと、キャラがあまり怪しすぎるからドラマオリジナルキャラかと思ってたので実在と知ってびっくり。
逸話1:徳川家康を暗殺しようとした忍者を追い払った
逸話2:駿府城の城門「東御門」を10日で完成させ褒美に街をもらった(→静岡・常慶町)
逸話3:ある日「漬物がしよっぱい」、と女中から松下常慶にクレームがつく(常慶は食材を含む経営管理担当奉行だったので)しかしこれは実はワザとだった(ちょうどいい味付けにすると女中たちがバクバク食べだして金がかかるから・とのこと)


◎覚へ書き

○歴史パート:1565.武田信玄の嫡男・武田義信武田信玄の関係が悪化。結果義信は嫡廃、寺に幽閉される

○ドラマパート:主人公、「鉄砲を入手・製造しようとしたことについての真意を今川家に説明しろ」と鶴くんに言われ今川家の本拠・静岡へ/「鉄砲を密造=謀反」なのでどう言い訳するか考える主人公/しかし主人公より先に家臣C(方久)が今川と面会、「今川家に製作の依頼をするよう井伊家に命令されていた」と話すことで事なきを得る/武田信玄の嫡男が拘束される(武田信玄の嫡男は今川家と武田家のパイプなのでその嫡男の拘束は武田と今川の関係の悪化を意味する)/さらに徳川(松平)家康が日々勢力を増していて、今川家、今川配下の井伊家の領土は侵略の脅威に脅かされはじめていた/自分の力不足を嘆く主人公に和尚様が「孫子」の冊子を渡す/母親、鶴 くんの義理妹の 「鶴くんは敵だがいいところもある」という発言、さらに孫子の「敵を欺くには味方から」という一節から、鶴くんの行動は実は井伊家のためなのでは?と思い至る主人公/実際鶴くんは今後周辺諸国と戦争になることをみこして、有事に主人公が危ない目にあわないために自分が領主になろうとしていたのだった/主人公、鶴くんと腹をわって話す「鶴くんが身を挺して憎まれ役をしているということに気づいた、でも自分はそこまで弱くはない、領主としてやっていける。その代わり知恵をだしてほしい、自分をうまく使ってほしい、自分も鶴くんをうまく使ってみせる」/鶴くん、自分の所見を主人公に話す「どんなに笑われてもみじめでも戦わず生きていく方法、戦わずに勝つ方法を模索していかないと井伊 のような小国は生き残れない」とのこと/「百戦百勝する方法より戦わず勝つ方法を考える領主になろう」そう心に決める主人公/つづく


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