映画:「市民ケーン」 感想


(※ヤフーのレビューは文字制限があるので書ききれなかったことをここにメモ)



○そこはどうでもいいと思う

当時としては意欲的?革新的なカメラワーク?でもそのせいで俺はかえって物語に集中できなかった。この作品に関しては撮影技術や方法は普通でよかったと思う。(SFじゃないんだから)

○テーマがわからん

「男は莫大な遺産を親にもらったが愛は与えられなかった。彼は金に困ることはなかったが「愛」のなんたるかがわからず孤独に死んだ。「幸せ」の正体は金じゃなく、親や身近な人からうける愛だった。」みたいなことが言いたいの?ワカラン。(時代やお国柄もあろうが)

愛をもらえなかったっていうけど、じゃあ親がいない子は人を愛する方法を知らないっていうの?んなことないんじゃね?(知らないけど)

逆に俺は貧乏な りに親から大切に育ててもらって感謝してるけど、それでも他人の愛しかたなんていまだにワカランよ?

結局自分しだいデショ?(そもそものテーマがそこじゃないなら失笑モノですが)

主人公が孤独だったから何?っていうか不幸っていうのにまず共感できない。人間誰だって孤独だし、その意味なら不幸。「本当にわかりあえる人に看取られて死ねる」なんてことのほうが圧倒的少数じゃないの?主人公はリッチで、介護の人間、執事、使用人がいる。他人でも、誰かがいる。それだけでも恵まれてるデショ?さらに死んでまで他人に関心をもってもらえて、「不幸で孤独でした」ってか?

バカじゃね?(あるいは俺が少数派で「自分は孤独だ」とは感じずに生きて死ぬ人のほうが世の中多いのか?)

少年時代こそ不幸だっ たけど、あとは全部自分のやりたいようにやりきった人生じゃん。味方もいて、むしろ金目当てで近づく登場キャラが少なくてびっくりしたよ



○テーマがわからんから自分なりに作品から考えさせられたことをメモっとく

「”愛してやるから愛し返せ”これが君のやり口だ」

「欲しがるばかりで与えようとしない」

「モノを買い与えるのは私に恩を着せるためでしょ」

劇中で主人公が言われる言葉ですが・・

相手に自分を愛させたい。支配欲・所有欲・優越感を満たしたい、そういう気持ち、わかる。逆に人との距離のつめ方がわからない。愛の与え方なんてわからない。あるいは与えるものを物以外持っていないっていうのもすげえわかる。

昔、彼女と同棲してて。その間にいろんなことがあった。喜んでもらいたくていろんなことをした。相手も喜んでくれた。

けど…次第に相手の反応が変わった。自分に対して敵意を見せ、挑発的になり、責めてくるようになった

「 気に食わない・キモイ」

悔しくて悲しかったけど、自分にいけないことがあるからだろう

で、恥を忍んで

「その気に食わないっていう部分を教えてくれ、なおす!」

と言っても

「そんなこともわからないのか・自分でわからなきゃ意味ない・キモイ・だからあんたはダメなんだ」

非難するばかり

(別れることを前提に喧嘩をふっかけてきてるだけなのか?)

そんなふうに終わった生活が自分にもあって。そこが作品と重なって考えさせられた

(そう言う問題じゃない←これ一番多くてかつ意味不明な返し。(じゃあどういう問題なのか教えてほしい)と言えば、「だからダメなんだ」みたいなことを言ってくるのがお約束で話が前に進まない。相手は一方的に責めこちらはただ罵倒されつづけるという悲しくて非生産的な時間)

まあそこがテーマか知らんし、今後俺の人生に生かせるヒントがこの作品にあったわけでもないが・・

○話をわかりやすくするべき。そのために

学生時代の描写がほしかった(少年時代の友達や恋人とのエピソードなくして、幼年期からいきなり快活な青年時代を見せられても感情移入できん)

お母さんの真意がどこにあったのかの描写がイマイチ(冷たい、優しいいずれにせよもっと人物像を具体化すべき)

○その他

最後のカメラワークで、「探し物の正体=財宝のありか」みたいなオチで地図でも出てくるのかと思ったよ(我ながら発想がゲス)

「何をしたかではなく、何者だったかが大切だ」というセリフ。何も成せない小者を慰めるためにあるような素敵な言葉だと思いました。(「何を成したか」は成果がすべてだが、「何者であったか」は主観でどうとでもなる)

「名作」という謳い文句だけで内容を知らずに見たので、「市民」というタイトルと「ファシスト」だの「コミュニスト」だのっていう作中に登場する単語と製作年代的に政治や社会情勢がテーマの作品かと思ったら違った。(あるいは違わない?自分のアホさ空気の読めなさに悲しくなるやら情けなくなるやら・・)




◎覚へ書き

○あらすじ

1:1941年。世界最大の個人邸宅に住む元新聞王・ケーン氏(→主人公)が、「…バラの蕾]とつぶやき死ぬ

2:ニュース製作会社が氏の記録映像を製作
「廃鉱した鉱山から金がでて親が超大金持ちに→財産を相続、廃刊寸前の新聞社を買い取りそこから多くの会社を傘下に治め大成功」

3:製作者が「氏の表面的功績より内面に迫った映像を作ろう」と考え、“バラの蕾”という今際の時の言葉の意味を探るため取材

4:取材1*2度目の結婚相手)門前払い・バラの件の情報→ナシ

5:取材2*氏の成人までの後見人(故人) の手記)
(回想・氏が幼い頃莫大な財産の相続権を持ったときから25歳までのいきさつ){氏の親が手に入れた廃鉱山にとてつもない金脈・超大金持ちに→母親が後見人に氏の英才教育を施すよう託し、以後離れ離れに暮らす→25歳、後見人は契約どうりすべての資産を氏に譲渡(氏は世界6位の資産家に)→氏は財産管理に興味を示さず新聞事業に興味→新聞社を買い取り情報操作まがいの記事の掲載を続け部数を伸ばす(それに対して苦言を呈す後見人)→だがそもそも氏が新聞事業に興味を持ったのは情報操作で裕福層に金が入り込む仕組みの社会に反旗を翻したい・労働者の味方でありたい・との思いからだった(毎年100万ドルの赤字を自費で払ってでもという気概)しかし1929に破産}→氏に関する手記はここまで・ バラの件の情報→ナシ

6:取材3*氏の元側近
{回想・学校を放校、小さな新聞社を買取、「ゴシップを多くする、小さな事件でも大見出しにすると大きな事件っぽくなる・など、ある意味情報操作を使い人気を博し売り上げを伸ばす→買収で会社の規模を拡大→大統領の姪と結婚」}・バラの件の情報→「過去に失った何かなんじゃない?]

7:取材4*氏の元親友
{回想・氏の結婚生活。妻とのすれ違い、2番目の妻との出会い(オチを知ってないと絶対にわからないけどここで氏が女性に「バラのつぼみ」を見に倉庫行くところだったという会話あり)→氏が州知事に立候補するも不倫のスキャンダルが発覚し落選→不倫相手と再婚、妻とし彼女のためにオペラハウスを建設、妻主演のオペラを上 演する(妻は才能はないがオペラ歌手志望)→妻の舞台を公然と批評した腹心で創業以来の親友をクビに}・バラの件の情報→ナシ

8:取材5*再び2番目の妻
{回想・高給で講師を雇い妻にオペラ歌手のレッスンをつけさせる、講師に「才能ナシ」と言われるもオペラツアー強行、自社の新聞で評価を操作→さらし者状態に妻が耐えられなくなり自殺未遂ののち引退、豪邸で暮らすようになるも窮屈な暮らしに耐え切れなくなり妻が出て行く}・バラの件の情報→ナシ

9:取材6*執事
{回想・妻にでていかれた直後、氏は妻の部屋をめちゃくちゃに壊す。そのとき部屋にあったガラス玉を手にとり「バラのつぼみ」とつぶやいたのを執事が聞いていた}
・バラの件の情報→執事曰く「バラのつぼみとは、ガラス玉のこと」。しかし記者はこの情報は表面的で真相に無関係と断定

10:「バラのつぼみと は?結局それがわかったところで人の人生のなにがわかるっていうんだ、人生の一片にすぎない」取材を終え去っていく記者

11:氏所有のものすごい数の収集品。価値のありそうなものは運び出され、無価値なものは焼かれていく。焼かれていくもののなかに「バラのつぼみ」と書かれたソリが。それは氏が両親と暮らしていた少年時代のものだった…

おちまい


※最後に「キャストの多くは素人です」的な製作秘話?のテロップ