おんな城主 直虎 第12回 感想


第12回 「おんな城主 直虎」

あらすじ

前回、なにもわからない状況でたった一人今川 くんに呼び出され問い詰められた鶴くん。

今川 くん
「井伊が僕を裏切ったっていう報告が証拠品と一緒に届いてるんだけど、キミ、しってた?」

実際問題、井伊(亀)は今川を裏切ってた。鶴くんはそれを知ってた。証拠も揃ってた。

今川 くん
「あの亀とかいう奴、マジ最低。言い訳も聞きたくない。死刑だわ。で、キミだけど。亀とかいう奴が死ぬついでにここで死ぬ?まあキミが死んでも亀とかいう奴の処分は変わらないけど、どうする?キミはキミの考えがあるだろうし、自分で選んでいいよ?」

鶴くんは今まで井伊の人達から冷たい扱いを受けてきた。でも単純に「嫌ってくる」井伊の人達はまだよかった。酷いのは亀くん。言葉だけ「マブダチ」。で、いざとなると尻拭いさせてくる金持ち・嫁あり・リア充のチャラ亀男だった。でも、それでも鶴くんは井伊を助け、亀くんを支えてきた。

今回はその井伊の金持ち・亀くんが、より金持ちの今川 くんを裏切ってバレた。そして今川 くん激おこ、自分まで「井伊が裏切ったワケだけど、キミも連帯責任で死ぬ?」って言われちゃってる。・・・どうしよう。


そして・・・

(どんな卑怯な手をつかっても、生きて井伊に帰ろう・・)

鶴くんは生きるほうを選んだ。



そして今回、生き残った鶴くんは地元の井伊谷に帰ります。で、言われます。

「おまえ、なんで生きてるの?ありえないんだけど?」

優しかった幼なじみの女の子(自分の気持ちも立場もわかろうとしてくれてたと思ってた、大好きだった女の子)にも、言われます。

「おまえ、なんで生きてるの?ありえないんだけど?」

これは鶴くんの知るところではないけど、女の子は亀くんには「どんな卑怯な手を使ってでも、生きて帰ってきて!」と涙のリクエスト+抱擁してた。のに、

鶴くんには「裏切ったのか?みんな死んだのにおまえだけ生きて帰ってきたのか?」と、きたもんだ。



ひでえな。


これ、鶴くんイケメン俳優だけど、もし鶴くんのキャスティングをブサイク俳優にしてたらもっと酷さが伝わってくるな。


(´;ω;`)<どんな卑怯な手をつかっても生きて帰ってきくるんじゃぞ→亀


( ´ A ` )<どんな卑怯な手をつかって生きて帰ってきたんだ、最低!→鶴


この態度の違い。(俺みたいなブサイクが日常で味わうブサイクあるあるですな)


○鶴くんは完全に闇墜ちしたんだろうか?

うちの職場のオバチャンは、鶴くんに悪人認定だしてたけど、鶴くんまだ悪意で動いてるわけじゃないんじゃないの?裏切ったのだってしゃーなしだったんだし。それとも俺、なんかズレてる?俺はよく物語の真意を勘違いして解釈するのでこういうことは人には聞けん。恥かくから。

あと鶴くんの役者さんが井戸で主人公と話すシーン。不敵な笑いもなく、苦悶の表情もみせず、人形のように不自然な表情。いい演技。あれは眼にチカラいれてたとみた。(うーん!うーん!って感じで。)


○ここはちゃんとチャンバラさせてほしかった

今回、大爺様・新野おじさま・中野様のお三方が戦死したわけですが。
ここを省くとは思わなんだ・・・桶狭間今川義元の死はあれでもいいけど、今回は第一部の主要キャラクターの死、しかも大河ドラマのウリ、合戦中の死なのに・・・けっこうドラマチックな死にかただったらしいし、ここはしっかり作ってほしかった。

○でもお三方のニコニコ飲み会のシーンはよかった。

戦地出発前の飲み会に主人公を招き、無駄にニコニコ笑いながら「戦地で死んでいったもの達、その死は主人公のせいじゃない。」

そう言って笑うお三方。

「何も心配いらない、もし死んでもそれは天命ってやつだ。それに自分達は生き残るためのコツを知ってる」

「生き残りのコツ」。そんなもの、あるわけないのに、ニコニコ笑って主人公を諭すお三方。渋い、渋すぎる・・・・

○今週の和尚様

「生きたものは死んだものを己の中で生かすことができる・・・

 時に倣い、時に倣わず・・・他には、ないかのう?」

「他には、ないかのう?」←ここに注目!言ってることの説得力や真偽ではなく、話しかたのテクニックのことなんだけど。気持ちよく自分で全部話しきった後にシメちゃうと、その話は完成されちゃうから、相手に「その話に対して異議を唱える時間を与えてしまう」ことになる。

でも、「ほかにはないかのう?」って言い方だと、相手に反論ではなく共感のための思索の機会しか与えないことになる。(相手にそれと感じさせずに・だ)。これは使える。

ちなみに話し切った後に、「そうじゃろ?」とか「そうは思わぬか?」はダメ。この言い方だと相手に否定する選択肢を与えることになるから噛み付いてこられるとメンドクサイ。

(´A`)他にも「他にも、ないかのう」みたいないい話のシメかた、あるかなあ?


◎覚へ書き

○あらすじ

歴史パート:1563.井伊直親死去(今川の家臣に襲撃・暗殺される)/1563.三河一向一揆(松平(のちの徳川家康)vs一向宗門徒●)/1563.井伊直平死去(毒殺説・討死など諸説あり)/1564.新野親矩(主人公の母の兄)・中野直由(井伊家重臣)死去(今川の命令で今川を裏切った飯尾某の籠る曳馬城との攻城戦で)/1565.尼だった井伊直虎、まだ幼い井伊家当主の後見人となるため還俗。

ドラマパート:井伊直親(亀)、今川の刺客に襲撃され死去。井伊谷の僧により遺体が持ち帰られる。/「自分のせいで亀は死んだ(今川の罠にかかるきっかけを作った・以前に鶴を擁護する行動をとった、そのせいで亀が死んだ、と亀の妻に怒鳴られた)ことで自分を責め自暴自棄になる主人公/今川家が亀の息子も処罰(死罪)にするよう命令、それにたいし井伊の家臣が恩赦を懇願/今川家、亀の息子助命の条件に戦争に参加することを要求/これを呑んだ井伊家、出陣。井伊直平・中野某・新野某などの井伊家上層部が揃って戦死/今川に行ったきりだった鶴が戻ってくる。(主人公をはじめ井伊の人間は鶴を「裏切り者」と認定・警戒)/今川家、「新しい井伊当主はまだ幼いので鶴を後見人にせよ」と指示/鶴が後見人になったら井伊家は鶴の命令に従うことになる、それは避けたい井伊家。そこで「主人公を後見人にしたらどうか」と和尚が提案/自暴自棄に陥っていた主人公だったが、亡き亀のため、井伊家のために井伊のトップに立つことを決断、宣言/つづく


◎おまけコーナー

掛川城静岡県1996に木造で復元された天主・1861に再建された二ノ丸御殿などがある

掛川古城跡(静岡県)←今川時代の掛川城があった場所。掛川城から徒歩10
分。現在は龍華院というお寺が建っている
/戦国時代、東西南北の戦略拠点として多くの武将がこの地を巡り争いを繰り広げた/当時の掛川城主は今川家の重臣朝比奈泰朝/1563年、井伊直親の一行は、その朝比奈の兵に襲撃された/だそうです

○「十九首(じゅうくしゅ)」(静岡県
掛川城の西にある地名/井伊直親たちが殺害された場所ではないかと言われている/だそうです

井伊直親の墓(静岡県
/都田川の堤防脇にある/直親の子孫、井伊直弼がこの墓を訪れ灯篭を寄進した/だそうです

○行きたいレベルB。今回のドラマの影響で井伊直親にはいいイメージがまるでなくなってしまった。だが、なんとなく・なぜか十九首には行ってみるのも悪くない。近くに行くことがあれば行ってみたいと思う。


◎おべんきょう

○じんぶつ

×近藤康用(1517-1588):武将(今川-徳川):静岡

今川家家臣・近藤忠用の子として生まれる/43歳・桶狭間の戦い・今川は大敗するもそのまま今川配下に納まる/←今この間→/51歳・今川と抗争中の徳川からの懐柔工作をうけ、徳川家に鞍替え/72歳・死去
井伊谷三人衆」と呼ばれた3武将の1人

×鈴木重時(1528?-1569):武将(今川-徳川):静岡

32歳・桶狭間の戦い・今川配下として参戦/←今この間→/40歳・今川と対立する徳川からの懐柔工作により徳川に鞍替え/42歳・徳川の命令で静岡の堀江城という城を攻めている最中に討ち死に(手柄をとろうと味方と競ってたらやられちゃったらしい。戦国あるある?お気の毒・・)
井伊谷三人衆」と呼ばれた3武将の1人

×菅沼忠久(????-1582):武将(今川-徳川):静岡

1568・徳川からの懐柔工作により徳川に鞍替え/1582・死去
井伊谷三人衆」と呼ばれた3武将の1人。子や孫は活躍したみたいだけどこの人の資料はあんまないみたい。

×奥山六左衛門(????-1629):武将(井伊家):静岡

1568・井伊家が瓦解しても他の大名に仕えず幼い井伊の次期当主の逃走を助けた/1580・井伊の領地がほぼ復活、この期にあらためて井伊に仕えなおす/1629・死去

×中野直之(????-1605):武将(井伊家):静岡

今回死去した中野直由の子/1564・父が戦死したため家督を継ぐ/1605・死去


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