おんな城主 直虎 第7回 感想



第7回「検地がやってきた」

かんそう

○人生はタイミング。もしくは「空気を読めない」というある種の才能

今回のみどころは亀のパワハラとゲスっぷり。これにつきる。

「キミの上司である私と私の一族は脱税する方針だ。でもバレたときはキミに責任をとってもらう。ちなみに我が一族の方針をお上にチクって我が一族を裏切り、キミのことを本当に大親友と思って心配してやっている私も失望させてもいい・っていうならチクっていいよキミがぜんぶ遠慮なく決めていいよキミも大変だろうからね」

この流れで「じゃあチクります」と言える奴はおらんわな。

あらかじめチクっておけばなーんの問題もなく検地は終わるけど、その後一生、「あのときお前は井伊より今川を選んだ。」と言われ続けることが目に見えてる。自分が悪いわけじゃないのになんか一生理不尽な負い目を感じつづけることになる。実質一択じゃんね。パワハラもいいとこだよ。

でも、こういう流れでもまれに空気を読まず「ノー」と言いきるツワモノもいる。

そんな、「空気を読めない人間」のフリをして、難問はふっかけられたその時に即答しちゃうのが理想なんだろうなこんなときは。「無理無理・バレますって!バレたらワシら一家破産ですやん!」みたいな?

こおいうのはホント、タイミングだよ。あとは慣れ。いつこんな無茶振りパワハラされても速攻で切り返せる習慣を作っておくこと。こおいうのは相手のこと考えれば考えるほどドツボにハマルからね。(まあ慣れるっていっても常日頃から無茶振りされる環境っていうのがないと不可能なんだけど)

○さわやかでクズで無能な男(←さわやかさしか良い点がない件)

検地のお役人に対して「遠いから隠し里へはいかないかも」「案内で誤魔化すこともできるし」「丸め込むこともできるし」と言ってたのに。

実際は何一つあたらない・・・何一つできない・・・

前回のドキドキ☆結婚大作戦の失敗もだけど、この人は企画立案の才能ないんじゃない?(っていうかさわやか以外に才能ないんじゃない?)

あげく責任を部下(しかも心友)に丸投げとは・・・これが噂の「さわやかクズ」か。最近の若いもんは薄情だ・なんて言うけど、実際は500年前から人間なんてこんななんじゃね?と思わされるゲスっぷりなドラマ。(※「知らない」で押し通すつもり(笑)・みたいな)

そしてあとになって「主人公のためだ」と鶴くんに言い逃れ(結果として見事に鶴くんの弱点を突いているのがさらに亀野郎のゲスさを際立たせている)

俳優さんに興味ないし名前も知らないけど鶴くんが一番感情移入できるわ。(もっと言うと伝記伝承ではトップクラスの悪役・鶴くんをここまでプロデュースした脚本さんグッジョブ)




○よくわからなかった

隠し里がバレたとき、鶴くんが台帳を提出しようとしたシーン。ひょっとしたらその鶴くんの行動を見たから亀くんはあんな態度をとったのか?(そうなら「フトコロから台帳を取り出そうとする鶴くんをチラッと見てギョッとする亀くん」とかの描写いれろって話だが・・・あるいは亀ははじめから鶴を信用していなくて「岩松どの・・・」と鶴が何か言おうとした時点で鶴の行動を先読みしたとか?そうならもうすでにお互いがお互いを信用していないのに表面だけマブダチぶりっこしてる関係ってことか?きっついなあ)

お役人さまはなんで隠し里に気づいた?(煙を見た、とかならそおいう描写いれてくれって話だが。あるいは鶴が裏切って前もってチクってあって知ってた・来週その種明かし(おヌシもワルよのう・・・とか)がある・とか?でも結局丸く収まって話が終わってるからそれはないか)

鶴くんにとっての「思うようにことが運ぶ」とは?

{1:隠し里がバレない}{2:隠し里がバレる}{3:その他(前述した、役人にチクってあったなどの可能性)}どれ?

とりあえず、「破り捨てた」と報告した台帳を隠し持っていた・ピンチにその台帳を役人に渡そうとした?・っていう2つの描写からわかることは・・・(´A`)なんだべな。

「バレないのがベストだがバレたら速攻報告して自分の家(小野家)だけは生き残れるように立ち回ろうと決めていた」といったところか?(´A`)そうなのか?

なんであっさり「あいわかった」・なのか

「この土地は台帳にありませんが?」と問いただして、「こ、こっここここは・・その、そう、あれだ、南北朝時代の皇子の土地?なんですそうそう、ははは」と言われたら、普通は「(めっちゃ怪しい・・)ならば、それを証明するものはおありで?」ってなるんじゃないの?

①{実は鶴くんがなにか裏で取引していて今後それがあきらかになる}
とか、
②{実は「あいわかった」というのは「不正の現場、抑えました。」って意味の「よーくわかりました」だったんだけど、その後あらわれた主人公のビブラートの効いたトレンディーお経で心境が変わり、やっぱり目をつぶってやることにした}
とか?

でもどのみち里の存在はバレたんだから、「ここからは税を徴収されない」ってだけで、「有事に隠れる」ことはできなくなったんじゃんね。なのに大祖父様はなにヘラヘラ笑っとんじゃ。(´A`)て感じ。



とにかく

毎回モヤっとしてるけど今回はとくにモヤモヤが多い回だった。



○覚へ書き


あらすじ

歴史パート:1557・徳川家康、瀬名姫と婚姻


ドラマパート:井伊を支配している今川が井伊直親の帰国・結婚を許可する代わりに井伊領の検地を要求/井伊には今川に隠している田畑がありそれを報告するか否かでもめる/井伊直親(幼なじみ亀)は隠す方向で話を進める。その一環として主人公に検地担当者の身辺調査を要請(主人公は第3回で今川屋敷に住まう親戚「瀬名」と知り合っているのでそのツテで)/井伊直親(幼なじみ亀)が小野政次(幼なじみ鶴)に、「我々井伊家は田畑を隠しとおしたい。バレたらキミ(幼なじみ鶴)に全責任をおってもらう。それが嫌ならチクっていいけど・・・どうする?」ともちかける(結果としてあきらかに責任を押し付けているのだが、直親(幼なじみ亀)はそれが圧力とわかっているのか天然なのか微妙な空気。)/小野政次(幼なじみ鶴)、井伊の都合に合わせて田畑を隠すことを承諾/検地開始。今川の役人がやってくる/なかなか誤魔化しのきかなそうな役人→主人公が小野政次(幼なじみ鶴)に裏切らないよう懇願/「瀬名」、主人公の依頼で井伊に来た役人の身辺の聞き込み。役人のひととなりを聞きだし主人公に返信、その過程で家康と急接近/隠していた田畑バレる。井伊直親(幼なじみ亀)が「自分は新任だからわからない、小野(幼なじみ鶴)が責任者だ、帳簿を提出したときもなにも言わなかった」と丸投げ/小野(幼なじみ鶴)、いきなり話を振られるも「皇族の土地だからノーカン」と言い訳。役人、話を鵜呑みして丸く収まる(いくらなんでも「証拠だせ」くらいのやりとり入れろよ・・・)/そこに「瀬名」からの手紙を読んだ主人公が到着、役人のゴマすりのためにお経をあげる→「解決したあとだったからゴマする意味なかった」という主人公に対し「なにかの役にたっているのかも・・」という和尚(→主人公が知る由もないが家康と瀬名が結ばれる一因となった)/役人は丸め込んだが窮地を押し付けたことで小野(幼ななじみ鶴)の信用を落とした直親(幼なじみ亀)、弁解のために「主人公のために」と持ち出す(結果として見事に鶴の弱点を突いているのだが、直親(幼なじみ亀)はそれが弱点とわかって言ったのか天然なのか微妙な空気。)/今回の検地対策で主人公と井伊直親(幼なじみ亀)が何度も会っていたのを苦々しい思いで見て精神的に弱った新妻のために義父である領主が別館を建設、新婚二人の新居とさせる/小野(幼なじみ鶴)の弟が結婚。相手は幼なじみ亀の妻の妹。/徳川家康が結婚。相手は「瀬名」/つづく


○おまけコーナー

静岡市静岡県):

今川が隆盛を誇った駿府の城下町がある/今川義元への服従の証として各地から差し出された人質たちと同様に徳川家康も8歳からこの地で暮らした/だそうです

○華陽院(けよういん・静岡県):

近くに人質時代の家康の屋敷があったといわれている/だそうです

浅間神社(せんげんじんじゃ・静岡県):

1555、家康が元服したといわれる場所/これを取り仕切ったのが今川義元/義元が家康のために用意したものだと伝わる甲冑がある/だそうです

行きたいレベル:Dかな。静岡まで行けるなら他に見たいとこたくさんあるし。



.