仮面ライダーゴースト・総括



仮面ライダーゴースト・総括

総評:D

努力もしないで「俺は俺を信じる!」と言い放つ主人公に毎回イラついた。「自分を信じるために、自分だけの何かを手に入れよう、努力しよう」みたいなテーマにすればぜんぜん違ってくるのにそういうのはナシ。クチサキだけでなんの努力もしない少年が変身ベルトをタダでもらって強化アイテムを偶然拾ってなんの努力もナシに悪の帝国をやっつけましたとさ。というシリーズの伝統を踏襲したしょうもない脚本。(でも、設定18歳の子供に「努力しろ・がんばれ・言葉に責任を持て」っていうのは酷なのかな、と皮肉ではなく、純粋に気づかされる作品ではあった。)

自分の命があと数週間、数日になっても危機感や絶望感の演出なし。こんなんなら死ぬ設定なくていいじゃん。テーマに命の大切さがどうこうがあるらしいんだけど、作品を観たぶんにはまったく伝わってこなかった。

項目ごとの評価

A:キャラ(変身前):天空寺タケル/3点
「俺は、俺をを信じる!」が決めゼリフなんだけど。自分を信じるのは結構だが自分の何を信じるのかの根拠の描写がないのでイラッとした。「俺は普段から努力してることがある、俺には××がある!」っていう裏づけもないのに「俺を信じる・俺を信じる」って、そりゃないわ。頭お花畑すぎ。(悪いのは役者さんじゃなくて脚本ね)/映画「ゴースト&ドライブ」で、タイムスリップした主人公が少年時代の自分自身と会話するんだけど。父親を悪く言う10年前の自分に主人公が怒る。「父さんをバカって言うな!」シーン。お父さん好きなんだなって感じがでててよかった。あと、「バカ野郎!おまえはいつもそうやって人に頼 るのか?自分でなにもやろうとしないで、いつも誰かに頼るのか?泣くな!タケル!」っていうとこも良いシーンだった。(本編と映画は脚本も監督も違うみたいだから主人公のキャラ設定だけをみるぶんには映画のほうはすごいよかった)ので映画を観てからは役者の子を好意的にみれるようになった。/ルックスはイマイチ。今後ブレークは厳しいかも。

B:キャラ(変身後):ゴースト/4点
最近の仮面ライダーはどれも共通して俺好みの体躯シルエット。(肩まわりの詰め物が共通規格?のせい?)だからあとは色やツノ、眼とかのデコレーション次第で評価が上下する。
今作の主人公は決してカッコイイわけではないがヘンなパーツも付いてないし渋めで俺好みだった。

前作「ドライブ」にお披露目出演したときはフワフワと幽霊のような殺陣、今までにない試みで面白かったのに本編ではそおいうのはなく、普通の殺陣。なんだったのアレ。

C:フォームチェンジ:/トータル5点
○15の英雄フォーム:(4点)
 宮元武蔵やらエジソンやらの力を借りて?フォームチェンジ。はじめ電王みたいな人格憑依かと思ったらそおいうのとは違った。個人的には色と模様がちょっと替わってる程度な印象。
○闘魂ブースト魂:(10点)
 中間フォームA。赤黒のコントラストがかっこいい。響鬼のそれと似てる。
○グレイトフル魂:(1点)
 中間フォームB。全ての英雄を体に取り込んで戦う、みたいな?デザインがギトギトしてて嫌い。
○ムゲン魂:(4点)
 最終フォーム。かっこよくはないが、まあこんだけフォームあればこおいうのもあってもいいのかな、って感じ。そこまでカッコ悪いってわけでもないし。あと、このフォームのときだけ中国拳法みたいな動きになるのは面白いと思った。

D:サブライダー(敵味方関係なくライダーの名を冠するキャラ):/トータル3点
○スペクター:(4点)・主人公と同じテーマの2号ライダー。今作の世界観ならこんなもんだろうな、って感じ。
○ネクロム:(3点)・敵が開発したという設定の3号ライダー。デザインやネーミングがダジャレ(点眼→テンガン・眼が潤う→メガウルオウ)なのがなんとなく嫌。デザインもイマイチ、そして弱い、とにかく弱い。どうしても前作で活躍した3号ライダー(チェイサー)と比較してしまうのでさらに印象が悪くなる。まあでもそれが3号さんの仕事なのかな、とも思うので3点贈呈

E:サブキャラ(主人公以外の男性限定)/トータル3点
○マコト兄ちゃん:(4点)2号ライダー。主人公の幼なじみという設定。めちゃくちゃイケメン、身長も高い。単独でライダーの主役になれる(顔ね、演技は普通)。こんな役じゃあもったいない、芸能界での今後の活躍に期待。
○アラン:(3点)異次元から来た敵幹部が改心、ライダー側に寝返り3号ライダーとなる。という設定のキャラ。服がダサい。(異界からきて人間界で出会ったおばあさんからもらった、という設定なので仕方ないのだが、ダサい。)キャラ的にもいまひとつ印象が弱い(これもやはり前作の3号ライダーに人間体の役者さんと比べてしまう)
○オナリ:(5点)主人公の舎弟ポジション。なかなかキャラ立ってた。本人曰く「目立ちすぎで主役の邪魔にならないように配慮した」とのこと。今後芸能界での活躍に期待。

F:ミス仮面ライダー/トータル2点
○ひかる:(2点)ヒロイン。主人公の幼なじみという設定。ガリガリ、長身、おねいさんタイプという俺の嫌いなタイプ。演技はよかったが所詮女は見た目が8割
○カノン:(3点)2号ライダーの妹。完全にオミソ、頭も小学生レベル?な言動(おバカキャラっていうより池沼に近い感じ。)見た目が可愛いだけでなんの印象にも残らなかった(それでもヒロインより点数が高い。これが現実。)

G:OP・ED:2点「我ら思う、故に我ら在り/氣志團
 いい言葉を羅列しすぎてかえって安っぽくさせてしまっている。不思議なことに物語り本編にも同じことが言える。これは偶然かあるいは曲製作の時点で(この単語とこの単語とこの単語とこの単語を入れろ)みたいなオファーがあったのか。

H:怪人種別:/3点
 刀や槍など、モノを怪人化させる、という設定。人格もある。同じ怪人が何度もでてくるのも特徴。キャラクターデザインが島本和彦先生ということで、もっとアツいのが出てくると思ったんだが普通のB級特撮風怪人で残念。東映から待ったがかかったか?

I:バイク:3点(デザイン3点・アクション1点)
なんとなく動きやすそうなデザインだったからバイクアクション多いのかな?と期待したんだけどそんなこともなく。怪獣みたいなのと合体するのもアリだったけど、こちらもほぼ出番ナシ。

J:ストーリー/2点
 前半「主人公が死んでしまって、「仮面ライダーゴースト」となり、生き返りを模索。15個あればなんでも願いが叶うというドラゴアイテムをそろえようとする」
 後半「生き返りを模索する過程で悪い組織の全貌を知り、その組織から地球を守るために戦う。自分の生き返りは無理なら仕方ない、みたいな軽いノリ」
 山場らしい山場がなく、カリスマ的な存在感のある役者もいない。謎解きや設定、物語のテーマ、キャラクター間のやりとりもイマイチであまり盛り上がらなかった。主人公が何回も死ぬっていうストーリーはよっぽど面白い伏線かオチがない限りやめたほうがいい。
 「仲間」や「信じる心」「自分にできることをしよう」っていうような臭う単語が「チーズバーガーとポテト一つください」と同じような軽い軽いノリでポンポンでてきてウンザリした。

K:ラスト/2点
 カブトみたいに「さんざん盛っておいて投げっぱなしで終わる」のが最低だと今までは思ってたけど、今作のように「ある程度整合性はついてるけどつまらないまま始まりつまらないまま終わる」のもなかなかキツイ。それでもやっぱり投げっぱなしよりはマシなのかな。

L:必殺技:/トータル3点
変身ポーズ5点:世界観にあったかっこいい変身だったと思う
殺陣2点:なんの印象もないな。前半の主人公vs2号ライダーのあたりが一番よかったような気がする。
決め技0点:キックだっけ?銃だっけ?刀だっけ?毎回違う技だったか?ぜんぜん覚えてないや。パーカーの霊がクルクル飛んでたのは印象的だったんだけど・・・